• テキストサイズ

Maria ~Requiem【気象系BL】

第11章 What a Friend We Have in Jesus


「気づいてたんだよね!?智!」
「え…ああ…まあ…」
「だよね…だから驚いていなかったんだよね…だよね…」

真っ赤な顔をして、ますます後ずさっていく。
ついにはダイニングテーブルにケツを思い切りぶつけた。

「痛っ…」
「おい、翔…」
「来ないでっ…もおっ…どうしようっ…俺…」

バサバサと端の方に置いてた本やらノートが落ちてるのに、それも目に入っていないようだった。

「ばかみたいじゃん一人で…もお…」

酷く狼狽したまま、翔はリビングを出ていこうとしていた。

「ちょっと待てって、翔!」

びくっと肩が震えて、恐る恐る顔を上げた翔の顔には、もう涙はなかった。

「…俺は、別にそんなことでおまえのこと嫌ったりしないし、軽蔑なんてしたりしない」
「智…」
「それに…俺だって、おまえの気持ち知りながら、それを利用しようとした」
「…え…?」

手招きすると、翔は素直に俺のほうへ歩いてきた。
ソファに座らせると、俺も隣に座った。

「…翔が俺に好意を持って、俺をここに匿っているなら、それを利用してやろうって…そう思った…」
「智…」
「もう気づいてると思うけど…俺は今は、翔とは違う世界で生きてる。だから病院には行きたくなかったし、警察にも知られたくなかった。だから都合がいいって…そう、思ったんだ」

/ 362ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp