第11章 What a Friend We Have in Jesus
新年のにぎやかなテレビが終わって、通常の放送に戻る頃。
俺の腹の傷もようやく回復の兆しが見えてきた。
前は少し動くだけでも痛んだのが、だいぶ気にならなくなってきた。
トイレにも躊躇わずに行けるようになったし、よろけても踏ん張れるようになってきた。
ただ、あの火事の日から、夜よく眠ることができない。
年末に翔がソファベッドを買って、なぜかもう一部屋あるのに俺の寝ている寝室に搬入された。(その間俺は洗面所に押し込められていた)
だから今は翔と俺は同じ寝室で寝ているんだが、夜中に何度も翔を起こしているくらい、夢見が酷い。
その分明るい昼間に寝ているから、体力的なものは大丈夫なんだが、どんどん夜眠ることが難しくなっている。
今では翔を起こさないように、ベッドで寝たふりをしているくらいだ。
ぼーっとするのは好きだから、時間が流れるのを長く感じることはない。
たまに翔が寝静まってから、リビングでぼけっとすることはあるけど、一度翔が探しに来たから基本的に同じ寝室の中にいるようにはしてる。
そうしないと、翔が不安で眠れなくなってしまうから…
あいつは大学も始まっているしもうすぐ試験の期間になる。
だから寝不足にならないよう、俺の方でこっそり調整してる。