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花水木が咲く頃に ꕥヒロアカꕥ

第5章 𝕆𝕕𝕠𝕟𝕥𝕠𝕘𝕝𝕠𝕤𝕤𝕦𝕞






数日間、憂鬱な気持ちを抱えたまま今日も学校へ行く
日に日に迫る体育祭に向けて、学校全体に緊張感が走っていた


「 ひかりちゃん、ここ最近元気ないね」

お茶子ちゃんが顔を覗き込むように首を突き出し、心配そうな目つきで私を見る。私は寝不足で濃く刻まれた目の下のクマを隠すように顔を背ける


『もうすぐ体育祭だから、緊張して中々眠れなくて…』

えへへ、と苦笑し誤魔化すと三奈ちゃんが組んでいた足を降ろして、目を細めて言う

「なんか怪しいぞ〜?」

疑いの視線から逃れることができずに口を閉ざしたまま黙る

「この前の特訓もさ、光の球を岩の的と間違えて青山に直撃させようとしたりしてたし!」

『そ、それは本当に申し訳無いなって…わっ!』

狭い教室で後ずさってしまったため、後ろに立っていた人物とぶつかり、転びそうになる足を踏ん張らせる
シトラスの爽やかな匂いが鼻腔を擽る

不思議と肩を支えてくれる手から伝わる温もりで、見なくても誰なのか分かってしまう


「危ねぇ…大丈夫か」

『う、うん、ありがとう!』

視界に背を向けられたあとも、轟くんの姿を目で追っていた
お茶子ちゃんの小さな悲鳴にやっと呼び戻される
両頬に手を当てて、伸びたお餅みたいに表情を緩ませている

「胸キュンや〜〜さり気なく気遣うところがイケメンだねぇ」

特訓もあり、回数は減ったけど
以前のように轟くんとまた一緒に帰ることが日常になっていた
…それでもやっぱり轟くんの気持ちを私は聞くことができていない


勝己くんは゛好きだから゛って言っていたけれど
それを基準にするなら少なくとも轟くんは私のことを嫌いじゃない、って思っても良いのかな??


「なんかなぁ、しっくりこないかも…」

三奈ちゃんが轟くんの方向を見てポツリと呟く
彼女にしては珍しく眉間にシワを寄せ、難しい顔を浮かべている


すると三奈ちゃんは、近くに座っている勝己くんのところまで来て、茶化すような口調で言う

「ねぇ爆豪はさ 秋月 と轟の二人どう思う?!」

な、何言ってーーー!!!開いた口が中々塞がらなくて、体が固まったままその場に立ち尽くす
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