第10章 領域展開
環は扇子を懐から取り出し、それを前へと出した
環が手を離すと扇子は不思議なことに浮いていた
「想護封印」
浮いている扇子の前に手をかざし、環は呪文を唱えた
環が呪文を唱え、真白の周りに舞っていた黒い靄は無くなりやがて真白は倒れた
「終わったようだな」
傍観していた宿儺は言った
「そうね、でも安心は出来ないわ、私がかけた封印はあくまでも一時的なもの、流石にすぐには解けないと思いけれどいつ解けるか分からない」
「随分と落ちぶれたな」
宿儺は皮肉そうな目で環を見た
「おい、環様に失礼だぞ」
「そうだそうだ〜〜」
葵と翠は自分の主である環が侮辱されたことに対して怒っていた
「いいのよ、葵、翠」
「ですが!!」
「本当のことだから、私がしくじらなけば完全に封印出来たわ」
「……すみません、出過ぎた真似を」
葵は少し沈黙し、環に謝った
「いいのよ、ふたりともお疲れ様、帰っていいわ」
「はい」
「は〜い」
葵と翠は返事をして宿儺と環の前から姿を消した
葵が場所を移動した為、領域から元の場所である宿儺の屋敷に戻った
戻ったのを確認すると宿儺は倒れた真白をまた布団の上に寝かせた