第10章 領域展開
環達は和装の部屋にいた
おそらく葵の領域内だろう
「わ〜葵の領域展開久しぶりに見たなぁ」
翠は興奮気味に言った
「私の出番はここまでです、翠、やるべきことはわかっていますよね?」
「分かってるよ〜〜動きを止めればいいんだよね?」
「ええ」
葵はその通りだと頷く
ふたりが話している間に真白はゆっくりと起き上がり、黒い霞が徐々に増えていくように見えた
「もぅ起き上がらないでよね!!」
翠は真白が起き上がるのを見た瞬間、頬を膨らませて軽く怒っている
「えいっ」
“パン”
翠が両手を軽く叩き、術式を発動した
真白の周りに光の細い球体が舞、すると突然その球体から縄らしい形をしたものに変化した
それは真白の体を巻き付けられ、縄らしいは輝いて見えた
「あたしの聖脈に囚われた人は簡単には抜け出せない、運が悪いねぇ〜〜」
翠はどや顔をするような顔で葵を見た
「その“どう、私凄いでしょ?”みたいな顔は止めて下さい、環様の特訓を受けていたので当然の結果だと思います」
葵がそう言うと翠はショックを受けたような顔をした
「環様、準備が整いました」
「あ、ありがとうね」
環は葵が領域展開をするとは想像がつかなかったようで少し驚いたような返事をした
「さてと、、、」
環は拘束された真白を見た