第8章 奪還
場所は変わり、宿儺がいる屋敷
その屋敷には女中や使用人はいない、この広い屋敷を宿儺は一人で住んでいるのだ
「宿儺、大変よ」
金髪の女が宿儺の目の前に現れた
その女の姿は長髪をおろし、美人で遊女のような着物を着ていて手には日傘を持っていた
「ちっ……」
宿儺は丁度酒を楽しんでいたところだった
それを女に邪魔されて機嫌が悪くなった様子
「“ちっ”じゃないわよ、こんな一大事なときにあなたは__」
「一大事とは何だ?環」
「真白が死にかけてる」
「は?彼奴はもう死んでるのではないのか?」
「勝手に殺さないで、あなたあの子と会っていたでしょ?」
「昔の話だ、6年も経つな」
「6年!?喧嘩でもしたの?」
「知らん、だがあの場所ヘ赴いたがいなかった」
「何かあるわね、これは……」
「……で、あの小娘の場所は何処だ?」
「五条家の地下よ、しかもそれが6年前から」
「どうしたらそうなったのかは知らんがお前が助けに行けばいいだろう、大体、何故今更になって俺のところに来た?」
「……私は7年前、安倍晴明に封印された、私がここにいる理由は術式のおかげ、目覚めたのがついさっき」
「お前ほどの呪霊が陰陽師如きに封印されたのか、情けない」