第39章 呪いの王の復活
“ピチャン”
水が落ちる音がする。
そこは現実世界とは明らかに違った。
動物の骨、人間の骨を数々積み上げその上に宿儺は座っていた。
ここは宿儺の領域だ。
つまらなそうにしていた宿儺はある気配を感じ、にやりと不気味に微笑んだ。
「ほぅ、お前が来るとはな」
どうやら宿儺の領域に何者かが入ってきたようだ。
その人物を宿儺は高みの見物をするかのように見下す。
「ここは気味が悪いね、悪趣味」
ため息交じりにその人物は言った。
「槐、何の用だ?」
「君と僕は昔からの付き合いだ、君が求めているものを応えよう」
槐が何を言っているのか分からない宿儺は眉をひそめる。
「何が言いたい?」
「真白を探すつもりだろ?少しアドバイスというやつをしてあげる」
「探すも何もあの小娘は死んでいるだろう」
「頭を使ってみたらどうだい?確かに真白は死んだけれども魂はまたこの現世に蘇る」
「生まれ変わりか……だがそんなものを俺が信じるとでも?」
その言葉を聞いた槐はふと笑みを浮かべる。
「そうだね、君はそんな人だ……だが真白は生まれ変わってる。確実にね」
「仮に見つけたとしてもどうしろと言うのか?」
「真白は君の近くにいる。僕が言いたいのは今世こそ真白を−−あの子を幸せにしてほしい……友である僕からの願いだ。それと僕の主をあまりいじめないことも視野に入れてもらいたいね」
「要求が多い奴だ」
宿儺は面倒くさそうな顔をした。
槐は要件が終わったようで『それじゃあ僕は帰るよ』と言い宿儺の前から去った。