第34章 敵襲
「真白ちゃん、まずいことになったよ……僕の結界が破壊された」
居間にいる真白を含んだ全員が息を呑む
真白と眷属達の会話を黙って聞いてた宿儺が立ち上がる
「まーた、敵襲?懲りないね」
美月が面倒くさそうに言いながらも立ち上がる
水蛇が張った結界は彼が生み出したもので外部からの侵入を防ぎ、屋敷の場所を特定されない仕組みになる
だがこれには弱点があり、結界の範囲は屋敷の横周り、つまり上からは結界がない
今までの侵入者は上から来る者がほとんどだ
真正面からの侵入は今まで無かった
結界は本人曰くそう簡単には解けないものだと言う
「何処の誰だ?馬鹿正直に突っ込んでくる奴は」
陽翔が呆れたように言う
「馬鹿正直に突っ込んできても私達はやるしかないわ、行くわよ」
眷属達は頷き、急いで外に出る
宿儺と裏梅も一緒に出てきた
(水蛇の結界を破る奴よ、一体どんな者なのか……)
前からゾロゾロと人が見える
(何あれ……戦でもする気?)
先頭にいるのは五条家現当主、五条叶だ
後ろにいるのは呪術師だろう、それも一人ではなく下手したら30人はいる
「叶さん……」
「お前はあの男以外の奴を相手にしろ」
「でも……そうね、今の私は叶さんを殺せないわ」
(今は霊力だって少しある……もうあんな思いはしたくない)
ぎゅっと拳を握り、力を入れる