第29章 最恐の大異変 〜参〜
「矢印通りに歩いているけど本当にたどり着けるのかな……全然景色が変わらない」
不安そうに真白が言った
「もうそろそろじゃないか?」
「そうだと願いたいな」
そう言っていると急に辺りが光に包まれた
あまりの眩しさに目を閉じた
やがて目を開けるとそこは見慣れた場所だった
辺りには満開の桜の木々に満ち溢れていた
「鈴音ちゃんこれって……戻ってくれたんだよね」
「嗚呼……そうだな、戻ってこられた」
そこからは都の様子が見えた
空はあの時のように赤くなく、青空だった
遠目から見ると都にいる人達は賑やかそうで異変があったあの混乱に満ちている様子は無かった
「異変は解決したんだ……」
「京の都を守れた」
こうして呪術界、陰陽師界の歴史に刻まれる最も最恐とされる京で起きた大異変は幕を閉じた