第27章 最恐の大異変 〜壱〜
「私は……環様に作られた式では無いのですか……」
必死に声を振り絞って葵は言った
「そもそも私は呪霊……式だなんて高度なものは作れないわ、ちなみに言っておくと翠は元人間じゃないけど動物の死骸から出来た元動物と言っても良いのかしら……」
「では……何故私は呪霊に……」
「あなたは美桜玲花の妹だったわ、体が弱くて15辺りに死んだのよ、悲しんだ玲花はあなたを呪霊として蘇らせた、私の式という名目で引き取ったのよ」
「そう……ですか……」
「私が憎いかしら?」
「いえ、私は環様に色々と教えてくれたので憎むだなんて……」
「そう……」
環はふっと微笑んだ
「……ところで環様、真白をどうするおつもりですか?薄々と疑問に思っていたのです、玲花に真白を頼まれ、あなたは術をかけた、それは見守るというより見張っているような感じがするのですが……」
葵の言葉を聞いた環はやれやれといった顔だ
「葵……私はあなたに言った筈よ、これから起こりうる災いの備えだとね」
「ですからその災いは何ですか!!」
「それは今は言えないわ、だけど“彼奴”は動いているはずよ、かつて美桜玲花と禪院涼葉の命を削った原因と成りうる者を……私はあの子を止めないと行けないわ」