第27章 最恐の大異変 〜壱〜
「環様……」
葵が環の前に現れた
環は丁度酒を嗜んでいるようだ
「あら葵、どうしたのかしら?」
「見つかりました、美桜真白を……」
葵は淡々と述べる
2ヶ月程前、真白が宿儺の屋敷にいないことを知った環は行方を探る為、葵に頼んだのだ
「そう……何処にいるの?」
「……李水蛇という人物の屋敷に」
「水蛇……ねぇ」
環には心当たりがあるようで盃に視線を落とす
「知っているのですか?」
「ええ、彼は中国出身の呪霊で呪の王よ、随分前に封印ざれていたらしいけどどうやら解けたのね」
「そんな大物が何故真白に……」
「さぁ?彼とは少ししか話していないしそんなの分からないわ」
「危険人物ですね、今すぐにでも真白を取り返したほうが良いと思います」
「あら珍しい……あなたがそこまで事を急ぐだなんて……」
「別にそういうわけでは……」
「良いのよ、否定しなくて……矢っ張り血は争えないのねぇ」
「それはどういう……」
「この際だからあなたの出世を教えてあげる、葵……あなたは元人間よ、しかも美桜家の」
「ッ!?」
環の口から出た、衝撃的な事実を知った葵は驚きが隠せなかった