第25章 それぞれの決意
そこには鈴音が居た、そこは鈴音の家のようだ
鈴音は家の中にある墓に向かい合わせになって正座で座っていた
「母さん……」
鈴音はぼそりと呟いた
どうやらその墓は鈴音の母の墓のようだ
「必ず……必ず、母さんが成し遂げなかったことを私がやる、だからどうか見守ってほしい」
覚悟を決めた目で鈴音は墓を見た
「今度こそ“アレ”を……絶対に封じるッ、例えこの命が削られようとも私は成し遂げてみせる」
“鈴音……ごめんね……私が出来損ないだから……あなたにも迷惑をかけた……”
布団に横になっていた鈴音の母が弱々しい声で鈴音に言った
体は痩せ細くなり、あと少しで死ぬような状態だった
“迷惑だなんてかけてない!!そもそも彼奴等が母さんに全部押し付けていたようなものじゃないか!!母さんは悪くない”
母の手を握り、必死になって鈴音は言った
“鈴音……”
何処か悲しそうに母は鈴音を見つめた
「……」
鈴音は立ち上がり、墓から去った