第20章 圧倒的な差
「え……」
真白は目を開けると宿儺の屋敷の自分の部屋にいた
(いつ帰ってきたの?)
森の中にあった屋敷で強い呪霊を祓った後の記憶が真白には無かった
(環が運んでくれたとか?)
「まっしろーー!!」
急に廊下から環の声がした
ばたばたと廊下を走る音が聞こえ、しばらく経つと真白の部屋に入ってきた
「たっすけてーー!!」
「え、何?」
「宿儺がッ宿儺がッ!!」
環は目を潤せながら真白に言った
「宿儺様がどうかしたの?」
「目が覚めたか」
環の後から宿儺が部屋に入ってきた
その様子はいつもとは違い、何処かピリピリしてる
(あれ?いつものとは様子が違う……)
「おはよう、宿儺様」
「随分と呑気だな、真白」
「えっと……私何かした?なんかいつもより宿儺様が怒っているように見えるんだけど……」
「真白、怒っているように見えるんじゃなくて怒ってるのよ」
「え!?」
(真逆森に行っていたのがバレたの!?慎重にやっていたのに……)
「……気付いた?私が森に行っていること」
「嗚呼、そうだ」
「でも宿儺様に迷惑はかけていない、宿儺様は何に対して怒っているの?」
「……怒ってなどいない、だが何故勝手に森へ行った?」
(明らかに怒ってるんだよなぁ)