第19章 都での異変 〜後編〜
「はぁはぁ……数が多すぎでしょ!!」
真白は息を切らしながら言った
ふたりの周りにはハエみたいな呪霊がいて、強さ的に言うと弱い
「呪霊は弱い呪霊ほどよく群れるしな」
鈴音も息を切らしていた
ふたりはもう限界が近いようだ
「あれを使うしかないか……」
真白はぼそりと言った
「何かあるのか?」
「うん、これを使うのは初めてなんだけど……」
「使えるものは使え、今の状態はこっちが不利になっているぞ」
真白は頷き、懐から札を取り出した
その札には五芒星が書かれていた
「霊砲弾!!」
真白が札を投げて唱えると札からは弾幕が出てきて呪霊を一掃した
「ふぅ、成功したわ」
「最初からそれを使えよ」
鈴音は恨むような声で真白に言った
「でも失敗したら怖かったしそれに___」
真白は何かを言おうとしたが見えない“何か”により、遠く吹き飛ばされた
それも1メートルや2メートルではなく下手したら1キロ先に飛ばされた
「真白!!」
鈴音は真白が吹き飛ばされたのを見ると辺りを警戒し刀を構えた
一方真白はというと
「あいたた……」
吹き飛ばされた真白は木に打ち付けられる直前、霊力で防御して外部の怪我を防いだが手首をひねった