第18章 都での異変 〜前編〜
“ぎゃあーー!!”
足を斬られた呪霊は声を上げて、崩れ落ちた
そして真白は滝夜叉に霊力を込めて呪霊を斬って祓う
「ねぇ大丈夫?」
真白は先程、少女が吹き飛ばされた場所に行って安否を確認した
「祓えたようだな」
「そうだね、立てる?」
少女に真白は手を差し伸べる
それを少女は手にとって立ち上がる
「怪我は……なさそうだね」
「大丈夫だ」
「ところで君は誰?」
「……私は禪院鈴音」
(禪院家って確か御三家のひとつだったよね)
「鈴音ちゃんね、私は五条真白だよ」
「五条!?まさか御三家の一人に会えるとは思わなかった」
「私もだよ」
「……今日は助かった、礼を言う」
(やけに素直ね)
「それは私の方だよ、祓えたし良かった良かった」
「……真白、君も今度はあそこに行くのか?」
「あそこ?」
「嗚呼、森の呪霊討伐のことだ」
「勿論行くよ、鈴音ちゃんも行くの?」
鈴音はぎこちなく頷く
「今回みたいに祓うのに何も犠牲は無かったが次は絶対に犠牲が出る、覚悟しておいたほうがいいぞ」
(もしかしてこれ……)