第3章 日常
「姫様、入ってもよろしいですか?」
真白は控えめな声で雪花の部屋の前で言う
「あ、真白ね、いいわよ〜」
雪花の声を聞いた真白は襖を開ける
「失礼します」
「やっほー真白!!元気……じゃなさそうね、まーたあの人達に言われた感じね」
「大丈夫ですよ、姫様、もう慣れました」
「もうッ、“姫様”って呼び方、真白にしてほしくないわ」
「はいはい、分かったよ雪花ちゃん」
「“はい”は1回で十分」
「ふふっ、雪花ちゃんと話すと元気が出る、ここに来て正解だった」
「いつでも来ていいからね、私は真白の味方だから」
「頼もしい味方を持って私は嬉しいよ」
「じゃあ私仕事に行くね」
「え!?もう行くの?ゆっくりしていけばいいのに」
「女中頭に怒られちゃう」
「そっか、また会おうね」
「うん」
真白は雪花に手を振り、部屋を出た
(早く戻らないと……)
曲がり角を曲がろうとしたその時
「きゃ、、、」
丁度曲がろうとした人物にぶつかった
「あ、ごめん……大丈夫?」