第16章 不思議な夢
「珍しいわね、こんなところに人がいるなんて……」
その声は女の人の声だった
霧のせいか姿が見えない
「!?」
(誰かいるの?)
「あー驚かせたようで悪かったわ」
そう言いながら人影が見え、段々と霧が晴れてきた
そして声の主である人が姿を見せた
その姿は袴に身を包んだ少女で、紺色の髪を後ろに高く結っていた
「君、凄いものを持っているわね」
少女が真白の姿を見た途端、驚いた表情をした
「えっと……」
急に話しかけられて真白が戸惑っていると
「ごめんごめん、まずは自己紹介ね、私は美桜玲花よ」
少女は基、玲花は真白の戸惑っている姿を見て、自己紹介から始めた
「え!!お母さん!?」
「え、、、」
真白の呟いた言葉に玲花は戸惑う
「お母さん……」
玲花はぶつぶつと呟いていた
「どういうこと?」
(確かもう死んでいる筈……ということは私死んだの!?)
「うーん……とりあえず君の名前を聞いてもいい?」
(これ……どっち名乗ればいいの?)
真白は一応五条家を出た為、美桜を名乗ろうか迷っていた
「私は真白、一応五条家の人間だけど美桜家の人間……だから苗字は好きに呼んでいいよ」