第16章 不思議な夢
「私ってお母さんのことあまり知らない、どんな人なの?」
「それはもう酷い人よ!!私をこき使うし、横暴で馬鹿!!」
「あはは、環でも苦労するのね」
環の話を聞いて苦笑いをして誤魔化す真白
「まぁでも嫌悪感は無いわ」
「ふぅーん」
「あ、そしてめちゃめちゃ強いわよ、玲花は」
「当主だし、弱かったら意味がないしね」
「それもそうだけど五条家の当主より強かったのよ?凄いと思うわ」
「え、あの親父より強かったの!?」
「ええ」
環はそうだと言わんばかりに頷く
「わー手合せしたかったな〜〜」
「もし玲花が生きていたらできたかもね、真白がボロボロに負ける未来が見えるわ」
「酷いわね、環」
真白は環の言葉が気に食わなかったのかむすっとする
「まぁ、玲花に近付ける一歩として受け取りなさい」
先程環に貰った刀を真白は見つめた
「肌見放さず持っておくわ」
(使う機会なんて早々なさそうだけど)
「ええ、そして……ところで真白」
突然、環の表情が変わり真剣になっていた
「何よ」
「最近、何かあったの?」
「別に何もなかったわよ」
「そう……何かあったらいつでも私のところに来てね」
「……」
(どうしたのよ、いきなり……)
そんなこんなで環は宿儺の屋敷から去った