【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第15章 真実の相手③※
悟は何を言っているのだろう。
そんな事分かっている。
分かっているから、今世こそは悟から逃げようとしたんだ。
なのに……。
実際に悟から愛していなかったと言われると。
分かっていた事なのに体が震えた。
手先が冷たくなり、夏なのに感覚が無くなりそうだ。
煩い蝉の鳴き声だけが耳に響いている。
「……分かってるよ…。」
仁美は小さい声で目を伏せながら言った。
「分かって無いだろ!
気付けって言ってんだよ!
お前がいくら縋っても僕はお前を愛していないんだよ!」
初めて聞く悟の怒鳴り声に仁美は目を見開いた。
「馬鹿なんじゃねぇか?!
20年も繰り返してまだ分からないのかよ。
何でまだ僕を愛してられるの?!
僕はただ好みの女に欲情してただけって気が付いてんだろ!?」
それを貴方が言うんだ…。
20年間私を離さなかった貴方が実は愛していなかったと。
認めてしまうんだ……。
はっ……!
仁美は息を大きく吸って、やっと自分が呼吸していなかった事に気が付いた。
空気を体に入れると、途端に心臓の音が響いて、ズキズキ痛かった。
「………悪かったよ…。
過去の事は分からないが、今回もかなり執着して……
はぁ……SEX楽しんで恋愛楽しみたいなら一年過ぎたらやれよ。
今じゃねぇだろ……。」
一度吐き出すと止まる事は無かった。
青い顔をして俯いている仁美に同情する気持ちも浮かばなかった。
「ああ……そう言えば…
僕に嫌われる為に傑に抱かれたって
アレ正解。」