第12章 銀時 一緒にいたい
「ところでさ、勢いで言っちゃった…とかじゃないよね?」
「あったり前だろうが。
銀さんだってずっと考えてたんだっつーの。
一世一代の大勝負なわけだから、
一応さ、シチュエーションとか?言葉とか?
かっこつけたいと思ってたわけよ。」
銀ちゃんはバツが悪そうに、頬を掻きながらそう言った。
「めちゃくちゃかっこよかったよ?」
家族という言葉を選んでくれたその瞳がかっこよすぎて、
吸い込まれそうになった。
私は銀ちゃんのその目に惚れたんだ。
「アキはさぁ…
俺をどれだけ自惚れさせたいんですか?」
きっと今抱きしめてくれたのは、照れた顔を隠したいからだろう。
「アキのために、もうちょっとちゃんとします。…多分。」
「多分なの?
でも期待しときます。」
あなたと笑い合えるこんな数分が、いつか毎日の出来事になるかもしれないなんて。
考えただけで、幸せすぎてどうしよう。
「あーもう。絶対離さねぇからな。」
頼まれても離れてあげるつもりなんてないんだけどね。
切っても切れない家族になれる第一歩。