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【KP】BL

第10章 【ヒミツの合図】






今日の俺には気がかりなことが3つあって…
復帰後初めての歌番組ってことの他に
落ち着かん要素が2つもある。


コンコンッ!
「海人いるー?」
「あっ!ソータだ!うん、いるいる!」
「うぃーー!!」
ドアを開けた途端、2人は
握手とハグを合わせたような挨拶をしよる。


俺が思うに…ちっさい頃からダンスやっとる人間って
人との距離、近いと思う。俺とは違う近さ。
男も女も、先輩も後輩も、年齢の上下も
あんま気にしとらん感じ。


海人もその感じでうちの事務所入ってきたもんやから
最初は浮いとった気ぃもすんねんけど…


まぁ…、顔も声も抜群に可愛かったもんやから
最初から猫可愛がられて、甘やかされとったよなぁ。


なんて、可愛すぎる海人のことを思い出しとったら
海人とひと段落した彼が俺の方に近づいてきて
「廉くん、今日はすいません、相棒お借りします!」
なんて、ハキハキと挨拶をしてくる。


わかってんのよ、悪い子やないって。
むしろ、いい子やなって思うし、
海人も楽しそうにしとるから感謝もしとる。


「…うっす。こちらこそお願いします。
俺、踊るんはしばらく様子見ながらになっちゃって、
海人に可哀想なことしてもうてるし…。
今日は一緒に楽しんだってください。」
なんて挨拶したそばから海人が口を尖らせる。


「もーー、廉!!可哀想なことって何!
それ、言いっこなしって言ったじゃん!」
「ん…それはわかっとるけど…」


そんなやりとりをにこにこしながら見ていた彼は
「じゃ、オレリハあるんでまたあとで来ます!
失礼します!」
なんて、元気に去っていく。


また、来るんや…。
なんてことを思う俺は随分と勝手やなぁ、、
とも思う。


キスマイとかなにわとかAぇの楽屋に出入りする俺も
そう思わせとるかも知らんけど、
俺のと、海人たちのは違う…と俺は思う。


もう一つの落ち着かん理由は勿論―――
「紫耀たちと思ったより出番近いよねー」
「おん…、せやね」
「まぁ、、鉢合わせないように
気遣われてる気はするけど苦笑」
「…やんなぁ苦笑」


お互いになんとなく、言葉が続かんくて
沈黙が訪れる…。


「…どうする?廉は、楽屋とか、、」
「んー…今日はやめとくわ苦笑
なんか、落ち着かんし。」









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