第7章 【愛しキミと夜空に咲く花】
中学生でこの世界に入ったオレも廉も
いわゆるフツーの青春とは無縁で。
人前でデートなんてもってのほかな人生。
道行くカップルが一緒に手を繋いで歩いてたり
人目も気にせず抱き合ったりキスしたり
してるのを見て羨ましすぎてクソッ!!
と思うことだってなくはない…
てか、正直めちゃくちゃあるんだけど!苦笑
フツーの幸せとは縁遠い人生だけど、
ステージの上から広がる景色は…
他では味わうことができない多幸感で。
これ以上にないくらいの幸せを
世界で一番大切な廉と共有できるなんて、
オレは世界で一番の幸せ者かも、
なんて思ったりもする。
この5周年を締めくくるビッグイベントを
廉と、KPチームのみんなと話し合って…。
まさか我が人生で自分が打ち上げ花火を計画する
側になるなんて、夢にも思わなかったけど!笑
どんな風にしたらみんなに楽しんでもらえるかな、
とか。ありがとうの気持ちが伝わるかな、とか。
キンプリの歴史への愛が伝わるかな、とか。
そんなことをたくさん考えてたら
ワクワクが止まらなくて―――…。
*
いざ、始まってみたら自分たちの歌声と音楽が
空間に抜けていくのがすごく、気持ちよくて…。
6人の、5人のキンプリとして
自分たちが積み上げてきた楽曲と花火の融合って
こんな感動すんねや…。
なんて思って感動しとったのに
海人が花火やなくて俺のこと見てくるから
お前、花火見ろ笑
ってジェスチャーしたのに
全然、見てくるし、、
おまけに花火撮っとる俺のことまで撮りだして…。
しゃぁないなぁ…。
って笑っちゃったもんやから海人のヤツ
調子乗ってさ、俺の肩抱いてきて。
「自分、アホなん!苦笑」って逃げようとしたら
グッと、、抱き寄せられて…
俺の耳元で「大丈夫だよ、廉。みんな、
花火に夢中でオレ達のこと見てないよ…」
なんて、キスの距離感で囁いてくるから
「コイツほんま、アホや…。」
そう観念した俺に「あはは!廉、耳真っ赤!」
なんて言うてきて。
「さすがにしないよ!ホントはしたいけどっ!笑」
なんて笑う海人に俺の調子は狂わされっぱなし。
「廉、見て…みんな、楽しそう。」
「…ほんまやな。幸せそうにしてるわ。」
「ふふっ。けど…、オレが一番幸せかも!」
「…そ-なん?笑」