第4章 【恋の媚薬】
バレンタインが近づいてきて
そわそわと浮き足立ってる街を歩きながら
オレは気になってることがある…。
それは、、オレたちの場合
どっちがどっちにあげるのかってこと。
まぁ、アレ的なやつ(アレ的…?笑)
から考えたらレンからオレにかなって思うんだけど、
廉は年越しにラーメン食べちゃうようなやつだから
正直、期待はできないよなぁって苦笑
「かーいと!」
メイクを終えて楽屋のソファでくつろいでたら
廉が後ろからオレの首に腕を巻き付けて
じゃれてきて。
「んー?」スマホをイジりながら生返事をすると
「…急ぎなん?それ。」
オレのスマホを指差しながら聞いてくる。
「んっ、ごめんごめん。
忘れないうちに返そうかなって。
けど、緊急じゃないから大丈夫よ。」
「や、ええよ。それ終わってからで。
チャチャッと返信したらええやん?」
「オレ、廉と違って時間かかっちゃうから苦笑」
「それもそうやわ!笑」なんて言いながら
何がそんなにおかしいかわかんないくらい
ねこヒゲを作りながら笑う廉。
そんな廉を見てるとそれだけで嬉しくて。
廉と一緒に居たら
あれ?もしかしてオレって、おもしろい??
なんて、錯覚しちゃったりしてさ笑
「…海人の匂いする、、。」
唇が動くと、ときどきオレの首に触れるくらい
顔を近づけた廉が言う。
「廉、、やめて?それ…苦笑」
「……やめん。」
「なっ、もう、、廉のわからず屋!
やめてってば!」
「わからず屋、ちゃうよ?わかってんのよ。
…海人もご無沙汰やからヤバいんやろ?
わかって、やってんの…。」
首に回してた腕に力をこめてギュってしてくるから
本当に困る…。
「ねぇ、レン?
バレンタインの日って…撮影?」
そうだろうな、と半ば諦めの気持ちで
廉の指を絡みとりながら聞いてみると
「残念ながらな」
…でしょうね、って答えが返ってくる。
「けど、できるだけはよ帰ってくるから」
「廉は撮影中だからいっぱい貰っちゃうじゃんね。」
「そんなん言うたら貰うやろ?海人も。」
「んー、そうかもしんないけど…」
オレが欲しいのは1つだけなんだけど
なんて…
廉の方に顔を向けると、オレの肩に頭を預けてた廉が
少しだけ、頭を上げるから
キスの、距離感―――…。