第3章 【交錯する想い】
パッキング解いたり、やんなきゃいけないことを
とりあえず、終わらせてソファに身を預けると
帰ってきたなぁ、って感じがしてホッとする。
「…そういや、庭ラジ聴けてないから聴こ。」
「ふふっ、廉の声だぁ…笑
お仕事しちゃってんねーwかわい笑」
さっきまで一緒にいたのにって思うじゃん?
自分でもそう思う…苦笑
でも、どんだけ一緒にいても廉は飽きないの。
やっぱり廉の声を聴いてると安心するし
好きなんだよなぁって思い知らされるんだよね。
ちょっと、悔しいくらい。
そんなことを思いながらラジオを聴いてると
耳を疑うようなことを喋ってる廉、、。
…え、なに??
道枝くんのことを常に考えるようになって
大ちゃんにセッティングしてもらって…?
え、なになに?
そんな話、知らないし…。
「合コンみたいな気持ちだった」とか
「ドキドキした」とか…
そんなん、聞きたくないし…!
「すごい楽しかったよ〜」
「みっちー可愛かったぁ〜」
って…ナニソレ。
最近はオレに可愛いって
あんま言ってくんないくせに、、
道枝くんには何回も言うじゃん…
おまけに呑んだ結果、
「みっちーのこと好きになっちゃった♡」
だって。
もうコレ、アウトでしょ?
イライラしてたら
廉から着信。
「海人ー? いま何してんのー?」
なんて、脳天気な廉。
「もう寝るとこ!!」
「そうなんやー。
今日は夜更かしマンやないんやなぁ笑」
なんてケラケラ笑ってきて。
いつもはそんな廉をかわいいなって思うけど
生憎、心に余裕のないオレには無理な話で。
「いつもいつも夜更かしマンじゃないから!
だから、またね! おやすみ!」
って早めに電話を切ろうとすると
「ちょちょちょ、ちょ、待って?
いま、海人ん家の近くにおんのよ。」
「あっ…そうなの?」
イライラしてたハズなのに逢えるかもしれない流れに
思わず顔が綻ぶお手軽なオレ。
「…行っていい?」
そんな廉の言葉が本当はめっっちゃ嬉しいけど、
ヤキモチモードのオレが逢うのは良くない気がして
「…さっきまで一緒にいたじゃんw
今日はもう寝る気満々だし、韓国のときの
寝不足分も寝る予定だから、また今度ね!」
なんて、珍しくキッパリと断る。