第26章 【重課金カップル】
そろそろなにだんのツアーも始まるし
俺らのドームも控えとるしっちゅうことで
大吾と決起集会がてら飲んどって。
(まぁ…俺らの場合、一緒に飲めたらそれで。
名目は何でもよかったりするんやけど 苦笑)
会計も済ませて、次どこ行こかーって
流れのときに大吾が携帯に視線を移して笑いだす。
「ふふっ見て、廉。
海ちゃん何か怒ってんちゃうん?
“オレコノヒトスキ”やってよ?」
「あーー…苦笑」
思い当たる節がありすぎる…苦笑
それにしてもまた海人のヤツ
直接言うてこんとこんな喧嘩ふっかけてきて…
なんなん、苦笑
24時間TVの情報解禁での一幕を
大吾にかいつまんで説明すると
呆れたように大きなため息をつかれて。
「それ…俺とこんなとこで飲んでる場合ちゃうやん!
俺、海ちゃんに嫌われんの嫌やからはよ帰って!」
「んー…まぁけど、はよ帰ったとこで
海人帰ってくるかわからんし…」
「あほ!そういうことちゃうやろ!あの温厚な
海ちゃんがあからさまにトゲトゲしとるんやから
海ちゃんが帰って来てくれたときに心配させる
ようなことしとる場合ちゃうで!」
うーーん…
けど、これで俺が下手に出るのも
それはそれで癪なんよなぁ…
ちゅーか、そもそもな?
言うて俺は過去の話やん。
あの頃の俺は海人とこんなんなるなんて
マジで一ミリも思っとらんかったし
そこに現在進行形の話被せてくんのって…
どうなん。おかしない?
……え、待って?
これ、、海人のが罪深ない?
むしろ、俺が怒ってもいいやつやない??
「廉、ご馳走様!ほら、はよ帰るで!」
「帰らーん!大吾二軒め行こー!」
そんなん言いながら俺の肩に腕乗せて
いつものスタイルで体重預けてくるから
あー…これ、朝までコースのやつやん!
と察した俺は腕を躱す。
「何言うてんのこの子は!
あほなこと言わんとはよ帰んで!」
「帰らん!!やって…よぉ考えたら俺悪ないし。
海人のが一億倍悪いし。」
「一億倍て…苦笑 そんな子どもみたいなこと
言うてる場合ちゃうやろ!苦笑」
「けど…もし、はよ帰って一人で待っとんのに
海人帰って来んかったら、、嫌やもん」
俺は友だちやし。
そんなん100パーないよ。
100パーないんやけど
とは言え!とは言え…