第24章 【ヒミツ遊戯】
「海人。初回放送前にインライしたいねんけど…
時間作れる?」
「えっ!もちろん!」
ふたつ返事でそう答えたものの廉から、
宣伝的なのしたいって…いままでに
そんなことあったっけ…?珍しくない?
なんてことをちらりと思ったけど、
ドラマの撮影が立て込んで、なかなか
廉と会えない日々を過ごしていたオレ的に
願ってもない話。
インライは楽しく終わって、5日ぶりの廉が
嬉しすぎて、ちょっとイチャイチャしすぎたかなぁ
なんて、反省してみたりしたけど、
そんなのは名ばかりの反省。
だって、嬉しすぎる気持ちは止められないもん!
今日はこのあとどうするんだろう?
なんて、わくわくしたオレを置いてけぼって
「海人ありがと。おつかれっした!」
オレとスタッフさんに軽く挨拶して
颯爽と去っていく後ろ姿。
ま、まぁ…ちょっと会えただけで嬉しいから
いいんだけどさ?!
これ以上望んだらバチ当たるし…!
そんなことを思いながらオレもいそいそと家に帰る。
だって、今日は廉の初回放送の日だからね!
リアタイして一番に廉に感想を伝えなくちゃ!
なんて、謎の使命感に燃えて、普段は帰宅後しばらく
ダラダラするのに、速攻お風呂で身を清めて
寝る準備万端でテレビ前に座り込む。
…始まった!
ど、どーーしよぉーーー
昴が廉すぎてか わ い い!!
えっ?!しかも待って待って?
廉の部屋着、オレの好きなブランドの…!
一瞬だけでも廉から
オレを感じられるだけで幸せだし!!
廉すぎる昴くんにいつもの出演作品以上に
感情移入して観てたらあっという間にエンディング。
何度経験しても絶妙なタイミングで流れてくる
自分たちの主題歌ほど嬉しいことはなくて。
廉ありがとう!オレも次回作頑張るからね!
なんて、しみじみしちゃう。
ドラマ観させてもらうまではね?
花男の二番煎じなのかなーなんて、実は
ちょっとだけ余計な心配をしてたオレだったけど、
そんなこと気にならないくらい楽しくて。
その興奮さめやらぬまま廉にメッセージを送ると、
「ありがとー」って相変わらず省エネな返事…苦笑
2話ではさ、もう好きになっちゃったの?!
ってこっちが置いてけぼりくらっちゃうくらい
恋愛に免疫がなさすぎる初心ラブな
ヒロイン昴ちゃんがかわいくて。