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【KP】BL

第23章 【不自由な僕たちは】






はぁ、、私ってほんと、損な役回り…苦笑


「…なるほどねぇ、まぁ、、
永瀬もいろいろ、苦労してんのね苦笑」

「もって何なん笑 黒木も何かあんの、悩み。」

「あんたなんかにはわかんない
高尚な悩みがあんのよ、こっちは笑」

「高尚て笑 自分に使うとはお下品やなぁ苦笑」

「朝っぱらからあんな話してくる
永瀬に言われたくないわ!笑」

「確かに確かに笑笑」


損な役回りだけど、
こうやって永瀬の理解者として話せる立場を
放棄する勇気のない私は…ズルい。




***




翌週の水曜の放課後、
いつもの如く髙橋くんの教室を訪れる。
毎週水曜日に見とるとはいえ、文系の自分のクラス
とは明らかに違う男女比に圧倒される。


理系のハイクラって…緊張すんのよな。


「あ、海人ですか。海人は今日は休みです」

「そうなん、ありがとう」


どうにかこうにか返事をしつつ…
髙橋くんが休んどることも心配ではあったけど
それより何より…なんっっで、コイツは
俺が断られ続けとる名前呼びやねん!!


「あ…永瀬くんって、ほんとに友だちなんだ。
海人と。」

「……そーやけど?」


なんでそんなこと聞くんやろ…なんて、
少しだけムッとしながら答える。


そんな俺のことなんか意に介す素振りもなく
机をゴソゴソしだした彼からプリントを渡されて。


「……なん?これ」

「プリント、届けますか?
海人、月曜からずっと休んでるから
結構課題も溜まってるし、本当は
僕が行くつもりだったんですけど…」

「俺が!!俺が行くわ!」

「あ、じゃあ…お願いします」

「あっ!待って!!
 髙橋くん家って…、どこなん?」

「え…それも知らずに引き受けたんですか?」

「おん…そうやけど、」

やれやれというような呆れ顔で
裏紙に地図をサラサラと書いて渡される。


「海人の家、近いからよかったですけど
家も知らずにそんな安請け合いして
遠かったらどうするつもりだったんですか?
高校なんて、
いろんなところから通ってきてるのに…」

「た、たしかに…」
けど、そんなん考える前に行きたい!!
って…思っちゃったんやもん。。


その地図にはご丁寧に乗るバス停、バスの経由、
髙橋くんの最寄りのバス停とそのバス停から
髙橋くんの自宅までの地図が描かれとって。












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