第1章 【愛し生きること】
「後悔しない…?」
「廉とだったら…しない。」
俺の目をまっすぐ見つめながら
そう零すキミの瞳に吸い込まれるままに
引き寄せられた俺は
そっと、唇を重ねた。
触れた途端に熱を帯びた唇を
舌先でこじ開け
夢にまで見た海人の歯列を
丁寧になぞると
息を上げ、
濡れた吐息を漏らすキミ…。
「海人って…そんな声で啼くんやな。」
「……からかうんなら、やっぱ、やめる。」
なんて口を尖らせて俺と距離を取ろうとする
海人を抱き寄せては耳元で囁く。
「からかってないって笑
かわいらしかったからつい、やん。
むしろ、褒めてんで?」
「それ…褒めてないから。」
廉は顔を背けた
オレの顎を持ち上げては口吻けて…
「こっち向かんとキスできんやろ。」
なんて…、
オレを腕の中に閉じ込めて
オレの好きな顔で言ってくる廉を
ズルいな…って思いながら
「いいもん、できなくても。」
なんて、
精一杯の抵抗をしてみる。
「…すぐ拗ねるやん笑
まぁ、そういうとこもかわええけど笑」
「……ていうか、廉うるさい。
こういうときなのに
ちょっと、喋り過ぎじゃない?」
「海人、前のめりやん笑」
俺が笑ったと同時に
海人のぽってりとした唇が重ねられ、
角度を変えながら俺の口内を貪っては
息もできないくらいに
俺の舌を捉えて絡みつく…。
いつからだっただろう…。
この手で
もっと、
深く触れたい。
そう願ったのは―――…。