第16章 【いつの日のキミも】
「ん…」
昨日久しぶりに海人とまったり愛し合った翌朝
心地よいまどろみのなか隣のぬくもりを抱きしめる。
と、、
……ん?あれ??
海人、瘦せた…?
確かに最近ジムで頑張っとるとは聞いとる。
けど、これはさすがに…
俺くらい薄い気ぃする、、
恐る恐る腕の中のぬくもりを確認しようと
顔を近づけると…
「んー…ママぁ?おはよぅ…」
この声っっ!!
このふわふわのエンジェルボイスは
聞き覚えがありすぎる!!
海人やけど、海人やなくて!!
どういうことかっちゅーと…
声変わり中の海人!!!!
何でこんなことになっとるかはさておき。
昨日はまったり交渉やったおかげで
致した後着衣する余裕があったことに
ひとまず、感謝する。
次の瞬間、、まずい!!
しばらく目を擦っとった海人が
こっちを見―――
「ぇえ?!?待って!!!一旦、待って!!
ママじゃないし、ここ…どこ?!?」
慌てふためいとる海人を見て
慌て方は今とそんな…変わらんな笑
なんて、変に冷静な自分もおる。
「あの……お兄さん、どちら様…ですか?」
羽毛布団を手繰り寄せ、ひょこっときゅるきゅるの
目ぇだけ出して上目遣いで聞いてくるもんやから、
不覚にも可愛い…なんて、思っちゃって。
「俺は…」答えようとしたところで、
ハタ、と気付く。
この海人が声変わり中なのはそれはそうとして…
一番気にすべきは過去の俺と
出会っとるかどうかや!!やないと、
同姓同名で混乱させることになるもんな…
寝起きの頭にしてはそこまで考えが及んだ自分を
内心褒めつつ、さりげなく年齢を聞き出すことに。
「人に名前聞くとき、まずは自分から名乗りなさい
って…ママから教わらんかった?」
もっともらしい理由をつけて海人の名前をゲット。
…知っとるけど苦笑
「髙橋海人くんな、年は?いくつなん?」
「えっと…14歳、中2、です。」
「14歳な!まだまだ若いなぁ!」
オジムーブをかましつつ、頭の中をフル回転させる。
14歳…たしか、海人は14で事務所に入っとるはずで、
その冬、俺と紫耀と会っとるはず。
で、今は3月やから…多分会っとる。
ちゅーことはこの海人の中で“永瀬廉”といえば
15歳の永瀬廉ってことやから…
本名は使えんか、。