第67章 進化②
「伊達工業さんいらっしゃいましたー!」
「よろしくお願いします!」
「「「しアス!!!」」」
伊達工さんは前回の公式戦から2年生・1年生が主体のチームになってる。
新主将の二口さん、青根さん、大型1年生セッターの黄金川くん。
「(近くで見ると本当に大きい・・・・)」
横を通りすぎていく伊達工の部員たち
「・・・・」
「!」
青根さんと目が合った。じーっとこちらを見続けたまま歩みを止めている。
「(な、何か気に障ることをしてしまっただろうか!?)」
冷や汗を感じながらそれでも目をそらせずにいると・・・
「あの、荷物どこへ置いたらいいですか?」
「スミマセン!あの、ハイ!こちらへお願いします!」
案内する為にここでスタンバイしてたのに。恥ずかしい。
「悪いヤツじゃないんで、そこまで怖がらなくても大丈夫っスよ?」
傍にいた二口さんがケラケラと笑った。
練習試合が始まった。
烏野の攻撃1発目は旭先輩のバックアタックから!
「えぇ・・・囮の日向くんがいたのにブロック3枚!?」
「ブロックの反応すごいね・・」
やっぱり鉄壁は凄い。スパイカーの前に立ちはだかるとても高い壁
日向くんの速攻にもついてくる。
「(ブロックで一番プレッシャーを感じるのはセッターだって烏養コーチが言ってた)」
どんな攻撃を組み立てても巨大な壁が自分の前に立ちはだかっている。
試合中、ずっと背中越しに感じる圧
でもそんな状況の中、影山くんの表情は・・・
「(あ・・・笑ってる?)」
焦った様子はない。”面白い”って顔してる。
西谷先輩が上げたボール、影山くんが旭先輩にトスを託したがブロックに捕まった。
「う”ーっ!!」
最近ずっと旭先輩が”ブロックとタイミングずらして打つ”練習してるの見てたから悔しい!
「東峰もガンガン打ってるね。挑戦してる」
続いて西谷先輩のローリングサンダーが炸裂!
「西谷先輩ナ・・・」
「西谷さん!邪魔っス!!」
田中先輩が打ったボールはブロックに当たってコートの外に落ちた。
西谷先輩が影山くんのゼロ距離まで一気に詰め寄る。
「なんだって??」
「バック・アタックの助走の邪魔してます」
潔子先輩の顔を見れば、「どうだろう・・・?」という顔をした。
ちょっとだけ、烏野に嫌な空気が流れる。