【呪術廻戦】あなたに殺された私は呪術師として生まれ変わる
第15章 一陽来復を願う(外伝・伏黒恵視点)
次に目を覚ました時にはベッドの上で寝かされていた。
「…あ、起きた?」
声が聞こえた方に目を向ければ、そこにはいつも通りに飄々とした笑みを浮かべる五条さんがいた。
「…さんは!?」
「別室にいるよ。もう命に別状はないから安心しなよ」
もう命に別状はない、ということは一度は命に危険があったということではないか。
僅かに意識が戻ったあの時に見た光景は夢ではなかったのだろう。
「驚いたよ。こっちの任務を終えて迎えに行ったら、玉犬が走ってきて。そのまま僕の目の前で消えちゃってさ。何事かと思って行ってみれば、二人とも気を失って倒れてるんだから。しかも、は斬られて大怪我してるし」
俺が気絶したことで玉犬の術式が解けてしまったようだが、五条さんに気付いてもらうことには成功したらしい。
五条さんは大怪我を負っているさんを無下限による瞬間移動ですぐさま高専へ連れて行って、家入さんに反転術式で治してもらったそうだ。
その後、俺も同じように高専に連れてきて、今に至るという。
「恵も全身打撲。硝子に治してもらったから大丈夫だと思うけど、具合はどう?」
「…なんともないです」
「それじゃ一緒にのところへ行ける?の方は反転術式で治したといってもしばらくは絶対安静でね。それでも、恵のことをずっと気にしてたからさ」
五条さんに連れて行かれた別室でさんと再会することができた。
「恵くん…無事でよかった」
ベッドに寝かされて点滴を打たれてるさんは俺を見るなり心底安心したように顔を綻ばせた。
俺よりよっぽど重症なのに…本当にこの人はお人好しだ。