【呪術廻戦】あなたに殺された私は呪術師として生まれ変わる
第15章 一陽来復を願う(外伝・伏黒恵視点)
あれはまだ俺が小学生の頃、五条先生の任務に同行させてもらうようになってから何度目かの任務での出来事だった。
『クソッ!なんでだよ…ッ!!』
激情を露わにして取り乱す五条先生を俺が見たのは、後にも先にもあの時の一度きりだ。
俺が気絶してると思っていた五条先生は、俺が見ていたことを知らない。
彼女を腕に抱えて項垂れる五条先生は、その肩を震わせていた。
五条先生をそうさせた張本人であり、五条先生の腕の中で気を失っていた彼女はそのことを知らない。
あの日、彼女…さんと交わした約束。
『私にも、弟がいるの』
『…弟がいることは、みんなには内緒でね』
『だから今話したのは、私と恵くんだけの秘密にしてくれる?』