【呪術廻戦】あなたに殺された私は呪術師として生まれ変わる
第10章 ⑩
「オラ憂太!いつまで待たせんだ!行くぞ!」
「…うん!」
年の暮れ、白い雪が静かに降り続ける寒空の下、生徒たちが今年最後になるであろう任務へと出かけていく。
生徒たちを見送っていると、門の向こうからが帰ってくるのが見えた。
彼女と鉢合わせた生徒たちが各々に声をかける。
「さん、おつかれー」
「お疲れさまです、さん」
「お疲れさま。みんな今から任務?気をつけて行ってきてね」
「はい!」
「しゃけ!」
「悟のやつ、雪降ってんのにわざわざ見送りに来たと思ったらの出迎えかよぉ」
パンダの言うとおり、この時間にが帰ってくることを予め聞いていた僕は彼女を待っていた。
みんなのところまで足を延ばすと、僕が来たことに気づいたと視線が合った。
「おかえり、」
「ただいま、悟くん」
優しく微笑みながら僕の名前を呼ぶに、愛おしさで胸がいっぱいになる。
百鬼夜行の日を境に、僕とを隔てていた壁はもうすっかりなくなっていた。
「…ん?って悟のこと名前で呼んでたか?」
「そりゃ名前で呼び合うさ。僕たち相思相愛だから。ねぇ、?」
僕が生徒たちに宣言してからに同意を求めると、彼女は恥ずかしさに言葉が出ないのか顔を赤くしながら俯いた。
その様子を見た生徒たちの驚きの声が辺りに響き渡る。
「さん、馬鹿の手に落ちちまったのかよ…」
真希がを心底憐れむような目で見ながらそう呟いた。
それは僕に対してだいぶ失礼じゃない…?