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I'll always be with you【アイナナ千】

第15章 Wait!



コンサートの日、家に帰って私が寝た後の事だった。
深夜に一件のラビチャが届いた。


【ちょっと待ってて】


翌朝に気づいた。
唐突にこんな文を送ってくるのは一人しかいない。
もちろん千さんだ。


【何を待ってればいいの?】
【秘密。しばらく会えない】


何でだろう...?

急に会おうと言われるのはよくあったが、暫く会えないは初めてだ。
怒ってる感じではなさそうだし、大丈夫だろう。





それから、2週間経った。

この2週間連絡もほぼなく、流石に心配だ。
2週間前までは連絡が多すぎるぐらいだったのに、差が大きくて付いていけない。



【千さんの様子って最近どう?】

百くんに連絡を入れた。

【すっごいノリノリで楽しそうだよ!里那ちゃんと上手くいって楽しそうなのかな〜とか、勝手に思ってたんだけど、違った?】
【いや、私はコンサートの日に暫く会えないって、千さんから連絡来て会ってないよ?】
【え?嘘!!何でだろう。オレも分からない】
【分かった。楽しそうならいいよ!ありがとね】


百くんも分からないなら、他の誰に聞いても分からないだろう。



私は千さんと早く話したかったのだが、お預け状態である。


コンサートを見に行って、自分の中の止まっていた時計がやっと進み出した気がする。
臆病な自分から少し成長できたのかは分からないけど。
大事なことが分かった。



アイドルのユキも、兄のような千さんも、百くんの相方の千も、お兄ちゃんが居なくなってボロボロになっていた時も、全身全霊で音楽に向き合っている時も、その全てが折笠千斗だ。
どの姿の千さんも好きで、どれが欠けても今の千さんでは無くなる。

千さんが、私に申し訳なく思う気持ちは、完全には消えないと思う。
私の怖がりも臆病も消えない。
でも、その感情も含めてお互いに想いあってる。


それなら、私の恋人になっても、千さんは千さん、だと思う。



千さんが前に言ってた。
「里那とは一緒にいれただろう。恋人になっても同じだ」

今なら分かる気がする。
私たちが変わるわけじゃない。
お互いの新しい一面を知っていくだけだよね。


恋人の千さんも知りたいし、好きになりたい。

きっと、恋人の千さんとも側にいれるって信じてる。




そこから更に一週間。


【お待たせ。僕の家にきて】
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