I'll always be with you【アイナナ千】
第9章 キャンペーンセール
『ブラホワ今年も良かったなぁ』
楽しいステージはあっという間で、今年も終わりを迎えた。
そばを啜りながら、のんびり一人で新年で迎えていた時、急にスマホが鳴った。
【ユキさん】
?!
え、さっきまでステージ出てたでしょ?!
『もしもし?』
「里那、明けましておめでとう!」
いつもより張り上げた声が電話越しに聞こえた。
電話越しに色んなスタッフの人の声や物音が聞こえて、周りがバタバタと忙しなく動いているのが分かった。
『おめでとう。え、時間とか色々大丈夫なの?』
「ん、時間?大丈夫なんじゃない」
大丈夫じゃないよ、ユキ〜!という百くんの声が薄ら聞こえた。
そうだよね、スタッフさんも忙しそうだし...Re:valeがこんな電話なんてしてる時間ないよね。
千さん、絶対無理言って電話したなぁ。
『千さん今年もよろしくね!百くんあんまり困らせちゃ駄目だよ?』
「ふふっ、そうね」
『電話切るよ?』
「うん、『あ!これだけ言わせて』
「なに?」
『Re:vale凄いかっこよかったよ』
「知ってる。あ、行かないと、またね」
すぐに無機質な音が聞こえてきた。
あ、電話切れた。
たった一分にも満たない電話。
千さん、普段電話なんて全然しないのに。
電話かける時間ない中、それでも私に電話かけてきてくれたんだ。
電話ってだけでも驚きなのに、キャンペーン中って凄い。
新年から千さんの声が聞けた。
今年はいい年になりそうだ。