第2章 密室の告白
僕は今、ぼんさんと二人きりで居酒屋の個室に来ていた。
というのは、本当はアツクラメンバー何人かでここに来る予定で、大勢いるなら予約した方がいいだろうと個室で予約した店。他の人たちは急だったり何かがあったりで次々と不参加になってしまい、唯一参加出来た僕とぼんさんだけが二人でこの部屋を貸し切る状況になっていた。
大して大きな部屋でもないけど、それでも二人にしては広い。けれどもぼんさんは相変わらずというか柔軟で、僕の目の前で飲み食いを始めてそれなりに時間は経っていた。僕も食べているけど、うっかり飲むと自分の想いまで話してしまいそうで全然進まなかった。
僕がぼんさんに思いを寄せていることを。
ぼんさんなら、僕なんかが好きだと言っても上手くかわしてくれるんだろう。でもそれは、少なくとも酔っ払った状態では言いたくない。ぼんさんが何回か飲まないの? と勧めて来たけど、その度に適当なこと返していたらもう言ってはこなくなった。僕は今は食事を楽しもうとテーブルを見ると、ぼんさんの手元にあるコップが空であることに気が付いた。