第3章 養子騒動編
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その姿を見て、農民がほくほくと顔を綻ばせて微笑む
農民「いやぁ、ぽんちゃんは本当に働き者あるよ!」
潤之助「ぽ、ぽんちゃん…?(汗)」
農民「この人、自分の名前も忘れてしまたあるから、わたし付けたよ、名前!
海辺にぽんと転がっていたから、ぽんちゃんあるね!!」
潤之助「は、はあ…(汗)」
若様「それで、わたしを知ってる感じのあなた!名前なんて言うあるか?」
潤之助「せ、拙者は、若様の家臣で、松本潤之助と申します……お忘れですか?」
若様「ごめんね、覚えてないあるよ、潤ちゃん!!」
潤之助「じゅっ…!?(汗)」
若様「潤之助だから、潤ちゃんね!わたしのコトはぽんちゃんと呼んであるよ!!」
潤之助「お、お待ち下さい、若様っ!!(汗)」
拙者は、危うく若様と「潤ちゃん」「ぽんちゃん」の仲になりかけた所で
ぽんちゃ……いや、若様と農民に、若様の素性と、それまでの経緯をお話しした
若様「なるほどー、そうだったのあるか…
わたし、自分の国では悪い若様だったあるね…」
潤之助「……」
若様「解ったある!わたし、今すぐ国へ帰るよ!!
おじさん、大変お世話になりましたある!
わたしはこれから潤ちゃんと国に帰って、今までした悪さの罪滅ぼしをしてくるあるっ!!」
農民「そうあるか…寂しいあるけど、仕方無いあるな…
…元気に暮らすあるよ、ぽんちゃん!!」
若様「ありがとうある、おじさん!!」
潤之助「…………(汗)」
こうして
記憶が戻らないままの若様を見つけた拙者は
取り敢えず、いきなり国元や江戸の上屋敷へお連れ致すのは憚れるであろうと思い
長い船旅を経て、この江戸の下屋敷へと若様をお連れ致したのだった
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