第4章 嫉妬
それから私の家は...
偉い方しか知らない通称があるみたいなんです。
【夢の場面が変わり中学生の時分に】
祖母
「ちゃん。
お婆ちゃん悪いようにばかり"うみがらさん"の
話をしてしまったけれどね。
偉い方からはとても"大切にされてきた"存在なのよ。
彼らにとっては血を繋ぐ為の最後の要になるんだからね。
...いいえ少し違うはね...
うみがらさんは最後の要だけで必要とされている
訳じゃないわ。
優れた才能を持った赤ちゃんを必ず欲しい時に
うみがらさんは
繋ぐ命に"隠し味"までつけてくれるから尚更なのよ。
ただしこれは慈善事業ではないから莫大なお金が
動くことになるけれどね。
この家が立派なのも千夜さんのおかげ...
あっ!そうそう覚えておいて損はないと思うから
家の通称を教えておくわね。」
「ウチの通称...?」
祖母
「家の通称は"腹貸し家"
日本中さがしても、
おそらくはウチとあと数軒しか存在しないはずよ。」
そうです家の通称は"腹貸し家"です。
「へ、へぇ...
中学生の私には、ちょっと難しいけど( ;´Д`)💦
でも!やっとお母さん達が私に
"うみがらさん"になってしっかり家を支えてね!
って言ってくる意味だけは分かったよ。
まったくお母さんてば...o(`ω´ )o
わたしは女中さんになるんだから!!」
祖母
「そうねぇ!!
ずっと御女中さんになりたいって言ってるものね!
心配しないでねちゃんはちゃんの
大切な夢があるんだから、ならなくても良いのよ。
...それに...
ウチ以外の腹貸し家さんが沢山引き受けているみたいだから
何も言わなければ選ばれる事は無いと思うの。」
「ほんと!?」
祖母
「ほんとうよ。」
祖母は私の頭を優しく撫でながら
そう言ってくれました。
※祖母が亡くなったあと初めて"千夜さん"が祖母だと判明しました。
恥ずかしながら私は祖母のことを"お婆ちゃん"と言い続け
名前を知らずに過ごしていたのでした💦