第30章 星野
【五条家】
五条時子
「なんですって!?」
時子は声を荒あげ
星野の次に上の立場の使用人玉木に詰め寄っている。
玉木
「間もなく可憐様と守様が到着を致します。
奥様...どうされますか。」
五条時子
「...どうされますかって...
可憐さんが"勝手"に許嫁と言い始めただけ
五条家は関係ないと言ったじゃない!
無視をしておきなさいと言ったでしょう!
星野は何を考えているの!!?」
玉木
「...」
玉木は自分の上司のやる事に
昔から違和感を感じていた。
今もまた...酷くどうしようもない気持ちでいる。
五条出流
「さんはどうした?」
黙って聞いていた当主五条出流も、
思わず口を挟む。
玉木
「星野には極秘に、
探偵に行方を捜させております。」
五条時子
「...酷い..きっと今頃泣いているに違いないわ...
あんなに...守を大切にしていたのよ!?
それに何より腹貸し家に失礼をするなんて...
五条家はもうお終いよ!!」
五条出流
「...さんを粗末にした...
これが腹貸し家界隈に知られれば、
このさき五条家末代まで...
腹を貸してはくれなくなるだろう。
この落とし前はお前達をどうかしなくては
ならなくなるぞ...
全力で捜せ...捜しだせ!玉木!!!」
玉木
「承知...いたしました。」