第230章 怒られる
私は調理中に叶さんの闇を見ました。
シンク下の少し開いた扉の向こうに…
目の光を失った知らない男性の顔が見えました。
なんでも出来る叶さんが魚の三枚おろしが
できないわけがない……
きっと私を騙すために
咄嗟にカモフラージュでサケの内臓を
撒き散らかしたのでしょう。
(一度、きちんと話をしなくちゃ…)
禪院叶
「そうだ忘れてた。
サケから出た生ゴミ
臭う前にガレージに置いてくる。」
「(´・_・`)」
叶さんは私にバレていないと思っているのでしょう。
サケの内臓にしては大きすぎるゴミ袋を担ぐと
ガレージに一時保管しに行きました。
「……人を捌いた包丁で作ったちゃんちゃん焼き……」
私はお皿に取り分けてもらった
ちゃんちゃん焼きを見つめながら
少しだけ考えるのでした。