第219章 テコの入れ方
禪院叶
「良い匂いだな」
テーブルに食事を並べていると
首にタオルをかけたままの叶さんが
リビングに入ってきました。
「(*⁰▿⁰*)わぁ!」
まだ乾ききってない黒髪や
入浴して更に血色が良くなった顔…
筋肉が綺麗についてる肉体
そして半袖にジーンズという季節ハズレの服装…
それがなんだか全て美しく見えて
私はいろいろと驚いて声を出してしまいました。
禪院叶
「?」
「あっ……えと……
叶さん、ソファーに座ってくれますか?」
叶
「いいけど」
"バフッ"
叶さんは不思議そうな顔をしています。
「ダメですよー
髪が濡れたままじゃ風邪ひいちゃいます。」
"ワシャワシャ"
私は叶さんが首にかけていたタオルを奪うと
叶さんの正面にまわり
そのタオルで髪の水分をとっていきます。
禪院叶
「あっ…悪い…
普段から風呂上がりは濡れたままにしてるから
つい癖で。」
「えー、これからはちゃんと拭いてくださいね?」
禪院叶
「どうかな」
「どうかなじゃなくて絶対にですよー」
前方から拭いているから
よく叶さんのお顔が見える。
(無骨なところがあったり…
繊細なところがあったり…
本当に不思議な人……)