第219章 テコの入れ方
温かいシャワーを浴びながら
私は叶さんの事を考えています。
「…呪術師で……しかも禪院家なのに……
どうしてこんなに良くしてくれるの?
腹貸し目的…?ううん…違う……
叶さんからそんな素振りは感じない……」
浴室の鏡に映る自分を見る。
顔は紅葉し身体はもぎたての果実のように
艶を増している。
(…腹貸しの私の方が呪術師を呼んでいる?)
私は細く白い指をお腹に当てます。
「そっ…そんなことない!
だって呪術師なんてみんな…嫌い!!」
"キュキュッ"
私はシャワーを止めると
"バシャン💦"
浴槽に大胆にダイブしました。
(そんなことない!そんなことないったら!!)
この感覚はいったいなんでしょうか。
胸が熱くなって凄く苦しいのです。