第219章 テコの入れ方
どれくらい意識を失っていたのでしょう。
私は温かい物が身体に触れて
意識を取り戻しました。
「…っ………」
禪院叶
「起きたか」
(叶さん…
んっ…ここは…おふろ?)
湯気でハッキリ叶さんの姿がみえないけれど
なんとなくボンヤリ姿が見えます。
禪院叶
「大体は拭き取ったが
意識が戻ったなら洗い流した方が良い」
どうやら叶さんは
血まみれの私の身体を(服着用したまま)
お湯とタオルで拭き取ってくれていたようでした。
「叶さん…ありがとうございます…」
なんだかまだボッーとしているせいか
お礼を言うだけで精一杯です。
禪院叶
「俺は表の後始末をしてくる」
「……はぃ……」
叶さんは私を置いて浴室を出ていかれました。