第216章 VS.
(何の目的があって近づいてきたのかしら…)
悟さんの方を見ないように
私は車窓から外を眺めます。
五条悟
「祐太がずっと泣いてる
どう?変装でもして乳母として五条家に来る気は
ないかい?」
「とっても素敵な求人ですね。
我が子を目の前にして母として接する事ができない
生き地獄を味わえる仕事…
マゾスティックな方なら歓喜するでしょうね。
…でも私は違います…喜べない……」
五条家
「まあそうだよね。」
「なぜ今だに香織さんが
悟さんのお側にいることを許しているんですか…」
もう破局しているような状況なので
ハッキリ聞きます。
五条悟
「くだらない理由だよ。
家と家…御三家とのバランスを取るためと
言えば分かってくれるかな?」
「……分かりました。
売女の私ではバランスが取れないから
形だけでも…違う…形だけじゃ無いかも……
香織さんを手放さないのですね。」
五条悟
「………」
「………」
売女という言葉を直ぐに否定して欲しかった。
「運転手さん、ここで降ります。」
TAXI
「えっ…あっ…はい。」
五条悟
「最寄駅はまだ先だけど。」