第194章 僕は優男なんです
「のどかね…」
青く澄んでいる夏の空を
ただ眺めていると…
"ザッーーーーッ"
突然スコールのような雨が降ってきました。
「お天気雨……」
快晴なのに雨が降るこの現象のことを
悟さんから"狐の嫁入り"と
教えてもらった事を思い出しました。
(初めて出逢ったあの日、
お天気雨と悟さんの綺麗な横顔に
見惚れたんだっけ…)
そんなあたたかな記憶を思い出しながら
下に視線を移すと…
「……悟さん!」
病院の外の
歩道?のような場所に悟さんが立っていて
空を見上げていました。
(大変、全身濡れてる!
風邪ひいちゃうわ💦)
"ドンドンッ!ドンドンッ!!"
私は窓ガラスを思いきり叩き
こちらに気づいてもらえるように
必死にアピールするけれど…
(気づいてない…
気付くはずないか……
夜蛾さんじゃないんだし。)
意識体がいくら窓を叩いても
気付かれるわけはなく
お天気雨が止むまでまったく私に
気付くことは無かったです。
「それにしても…
悟さんの周りには無限?が広がっているはずなのに
なぜ雨に濡れてるのかしら…
もしかして"わざと"濡れてる?
暑いから水シャワー的な…( *`ω´)?
私を騙したり…
どこまでも自由なのね。嫌い!」