第171章 カズン
玉木さんに案内されで通されたのは
100畳はありそうな広間でした。
そしてその広間には宴席が用意され
既にちらほらと数人の親族の方が座っており
楽しそうにお話をしていました。
(大丈夫!このパターンも教わっているわ。)
密かに気合いを入れ
広間の前方入り口手前で正座をし
ご挨拶の支度をします。
(床に両手を軽く添える程度で
頭を軽くさげてご挨拶よね……
あっ、でも…守からね!)
順位?的に言えば守が上なので、
挨拶は守からです。
(大丈夫かし……)
"スタスタスタスタッ…"
「(* ᴗ ᴗ)!?」
(え?)
なんと守は、
ご挨拶をするでもなく
謙虚に入るでもなく
スタスタと前方の席、
ちづるのお誕生日席の隣に支度された
お子様ランチが置かれている席に
偉そうに腰を下ろしました。
(守ー!!??
どうしたの守!!??なんでそんなに………
あっ!もしかして…宿儺さんの指示!?)
母の額から
焦りの汗が吹き出します。
(だっ、だめよ!
ここで焦ったら全てが終わり…
大丈夫、あんな感じでも私の姿を見てくれてるわ!)
「…皆様、本日は遠路はるばる
ちづるのお祝いに足を運んでくださり
感謝致します。
ご挨拶が遅くなりましたが、
そちらに座っているのは
五条家当主、五条悟の長男守と申します。
使用人の玉木が抱いている子は、
同じく五条悟の長女ちづると申します。
そしてわたくしが五条悟の妻でございます。
略儀ながらご挨拶をさせていただきました
どうぞ宜しくお願い致します。」
簡単なご挨拶を終え
顔をあげると皆さんは
私達を見ておられました。
(さっ…悟さん!早く戻ってきて💦
こんな時に何処に行ったのー!?)
「(* ᴗ ᴗ)」
心中乱れるなか、
おすましだけは忘れずに
悟さんが来るのを待っていると…