第170章 悟り悟られ悟す
「分かりました。」
私は乙骨さんから
転生後の男女それぞれの名前をお預かりしました。
乙骨
「…雨が冷たいですね。
これ以上さんを濡らすのは可哀想だ…
…簪を僕に渡してください。」
いよいよ乙骨さんの奥底で
眠っている悟さんを覚醒させる時です。
「……わかりました。」
私はずっと胸に抱いていた
守に直してもらった簪を乙骨さんに差し出します。
"ザッ—————"
これが少しでも乙骨さんに触れれば、
瞬時に悟さんが身体の主導権を握ることになるでしょう。
乙骨
「さん、宜しくお願いします…」