第167章 表裏白憎
(この人は誰?
悟さんのこと呼び捨てって親しい人?
…ってそこじゃない!!
なんで勝手に家の中に入ってるの!?)
玉木さんは昨晩からお休みで
今日は私しか居ません。
しっかりしないとです。
「どなたか存じませんが、
勝手に入って来られては困ります。
昼間に来て頂けませんか?」
「存じない?
悟は嫁の教育をきちんとしなかったのかな?
でも仕方がないか…
"呪術以外はサッパリ"だったから。ね?」
悟さんのことを感じ悪く言う男性に
そろそろ私も我慢の限界です。
「いい加減にしてください!!!
"家族"の事を悪く言われて
平気な人間なんていません!
今直ぐ出て行ってください!!」
「アンタほんっと無礼だ。
たかが腹貸しのくせして...さっきからねぇ?
腹貸しは呪術師の道具だね!
道具が呪術師の僕に
口ごたえはちょっとマズイよね!!
普段ならそのレベル許さないんだけど
悟が死んでくれたから
嬉しくて許せそう。」
←とても嬉しそうに言う
「!!」
「それにアンタ秀でて綺麗だし
"産み出し"も優秀だから
誰かさんに受肉してしか
生きられない奴と無理に一緒になることなんてない
俺が守ってあげるからおいでよ。」
男は私に手を差し出してきました。
「…あの。
悟さんが死んだこと、
悟さんの身体に乙骨さんが受肉したことは
私と使用人さんと腹貸し家の間引さんしか
知り得ない情報なのに、
なんで知っているんですか?」