第20章 参観
星野
「何故悟さんが貴女に、
愛しているや好きと言わなかったと思いますか?
それは貴女を完全に"腹貸し家"としてしか
見ていなかったからです。
なにより出会って間もないのに愛などというものは
育まれはしないのです。
私とさんの
お付き合いの長さなら育まれますがね!!
長々と話しましたが私が何を言いたいかと申しますと
産んだ後も悟様の帰りを待ちながら
ご子息様の育児に関わるということは
歴代の腹貸し家の先代方の顔に泥を塗る行為と
いうことなんです。」
星野さんはしっかりとした口調で
私に諭します。
「........」
悔しいけれど返す言葉が見当たりません。
星野
「さんはまだ若い。
可能性は無限大です。
さんが求めるならば、
女中の働き口を斡旋します。
どうでしょう?」
「...分かりました。
少し考えてみます...」