第163章 離してくれない
男が右手を振り上げ
今にも私の顔面に振り下ろそうとした時でした
「おい勝手に入ってくんじゃねぇーよ!!
あ?なに黙って………ん?
おっ、おっ、お……おまえ誰だ!!?」
部屋の入り口に、
女中時代にしか見た事がない
服装をした悟さんが立っていました。
乙骨
「その人の上から...退け!!!!」
「!!」
凄みの効いた声が響きます。
(悟さんのこんな声はじめて……
ううん……違う……
これは悟さんじゃない……悟さんはもう………)
「なっ、なんだこれ!身体が勝手に💦」
男はまるで何かに操られているかのように
私の上から退き、
乙骨さんのもとにフラフラと自ら歩いていきます。
(……助かった……)
安心したせいか
私はここで意識を失ってしまいました。